「いかん、また長くOVを書かんかった。。。」- 2014/03/31 (月) – OV

どうも「旅」をしてないと。ものを書く気がしない。
よくも紀行文なんていうジャンルがあるものだと思う。

旅は、自分を詩人にする。
どんなに小さい旅でも、ひとたび旅立てば感性が触手を伸ばしはじめるような気がする。
たとえば、毎年見る近くの桜も良いがたとえば旅先で出会う桜は、
尋常じゃないくらい心に響く。
つまり旅の心が、感性を増幅させているのだ。

旅は試走でも良いし、ユーラシア大陸を横断するほどの激しいものであってもいい。。
でもタクラマカンなどを旅をした夜は、とにかく文章が書きたくて仕方なくなった。
そうそう、タリンなんて深夜に着いたのに書きまくってたなあ。。。

なんだろうなあ「旅」って。
で、考えてみたら走りながらさまざまに見た物や心の変化を、
小刻みに心の中にメモをしてる。いわゆる描写をしているのだ。
バイクならなおさらだ。
文章を組み立てていて溢れだしそうになることもしばしばだ。
インカムなんてないのがよろしい。

ではということで
SSERの30年の記念の旅をしようと思う。この記念、というのは体の良い言い訳で、
とにかく感性の補充のために、行く。

感性と冒険の旅に行こう!件のはなしも、きちんとみんなに話をする
タイミングも遠くないし(えっ?わからないか。)

そうそう、TDRが直近だった。。


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「旅 TBI」- 2014/03/19 (水) – OV

記録的な大雪は、いまだに多くの林道を閉じ込めて試走チームは試練の連続だ。
林道の出入り口でコマ図を書き終えて、出口に遠路回り込む。近い時もあれば気が遠くなるようなときもある。
そういえば昔TDNの試走で、岩手の林道で日が暮れて、遠野まで200キロ近く遠回りをして、深夜に遠野の旅館に泊めてもらった。
この時の日本縦断の試走の時の旅館の数々は楽しかった・・・
もとい、そして翌日は遠野からその林道を逆進入。。。
通行不能箇所は徒歩で距離を測った。。。

こうしてみると試走も「旅」であることに変わりない。
トラベルの語源はトラブルだ(ウソ)、
現代はともかく、古くから旅はなにかとトラブルとの闘いだった。
だからそれが人を成長させてきた。
「かわいい子には旅をさせろ」の「旅」は過去のもので、
最近は「可愛い子と旅をしよう」・・・いかん、話がおかしくなった。
ふたたび、もとい。

かわいい子には旅をの旅は「試練」を与えよというのだが、
それを試練と言ってしまうと何かロマンが無くなってしまう事に気がついて、
「旅」と言った人にはセンスがあった。

旅はトラブルがつきもので、それをいかに予見しておくか、
交わすか、愉しむか、方法や考え方はいくつもある。

旅。なにかこうこの不思議な心の動きのをもたらすものに、はるかなる憧憬を感じながら、
霧島までの道のりを楽しんでもらいたいなあ。。


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「夜はまだあけぬのか」- 2014/03/12 (水) – OV

このタイトルは、10年ほど前に失明寸前にあったボクが手にした1冊。
故梅棹忠夫さんの失明後の闘病記。まさに「まだ夜はあけぬのか」だった。
当時は原因不明とされていたが、その病名は急性黄斑変性だ。
ボクは悩んでいた。

それでも案外大丈夫なもので、かなり視力は低下したものの10年を経過した。
梅棹忠夫という「知の巨人」に、しっかりと出くわしたのはそんなころだった。

いやこんな話になぜ行き着いたかというと実はモンゴルだ。
今年のルートの楽しみは「東」だ。東に行くだけ行けばホロンバイル草原があり、その先にはノモンハンがある。大興安嶺の西だ。

大興安嶺、確か探検隊の話があったなあ。。。そう、子供のころむさぼり読んだ山の本、今西錦司だ。梅棹先生も今西門下だった。いうところの京都学派だ。
彼らほど遊牧民やモンゴルの研究をした人たちもいないなあ。。。とまあそういうお話だ。
決まって彼らは山に登っていた。不思議だと思ったが、やがて彼らの言うフィールドワークとは、山登りと同質だという事が分かった。

モンゴルでラリーを始める1年ほど前に、京大の国立民俗博物館に遊牧民研究の第一人者である松原教授にお話を伺いに行った。
奇遇なことに松原先生は、いまでは松山市の子規記念館の館長でもある。
20年も前の話だ。
赤松カメラマンが最近お目にかかって、20年前の話をしたら覚えられていたよ、とか言っていたなあ。。

教授はまだ乳飲み子の娘と奥さんと3人で、シルクロードを確かトルコだかイランだかから歩いて数年がかりの旅をしている。

京都学派の言うフィールドワークの凄まじさを感じる。

また話は変わる。モンゴルとは蒙古という。蒙昧で古い、という蔑称のようでもある。
「蒙」とはまあ、「目が見えているはずなのに見えていない」そんなイメージだ。
「夜はまだあけぬのか」は、なにか今の日本人の陥っている蒙昧な感覚を覚醒させる。

さあ、でもまあモンゴルの大地は、まだ氷に閉ざされているか。。


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「川は流れる。」- 2014/03/06 (木) – OV

ウクライナが揺れている。
あの美しく波打ち果てしない小麦畑と、驚くほど豊かなドニエプルの流れは忘れられない空気だ。

黒海が近づくにつれ気温は上昇し、秋も深いはずなのに
Tシャツでこの歴史的なオデッサの街に逗留する。
ロシア料理の店はどこも大混雑で、ヨーロッパからの観光客が溢れてた。
その夜モルドバ国境付近に反政府ゲリラの情報があると「海外渡航危険情報」が発せられた。
同宿の旅行中の日本人の外交官夫人と、そんな話をした。

旅は北京からクルマとバイクで、ただひたすらに走るという、
シルクロードのマイブームの真っ最中のこと。しかし、ボクには個人的な興味から目的があった。
「水」だ。
世界で最後の資産となるのは「水」だ。
まるで大昔のように「水」を巡る戦争だって無い話じゃない。

その理由の一つは旅の前半のステージである中国だ。
この国は急速に水を失いつつある。
海に届かなくなった断流する黄河、干上がってしまったさまよえる湖ロプノールに流れるはずのタリム川。
深刻だ。
そして次の国カザフスタン。
そこには水を失ったアラル海。
これらを見るだけで、2時間くらいの講演は出来る。

一昨年秋に、タクラマカンを縦断した。
天山や崑崙の豊かな雪解け水を集めたタリム川は、灌漑用水になってロプノールには届かない。
流域の途中で沙漠の中に消えてしまう。
あの楼蘭王国は1200年毎に流路を変えるタリム川に滅ぼされた。
いまは流路はロプノールに届くはずなのだが。

ことほどさように文明はエネルギーと「水」を失ったらたちどころに滅亡する。
中国の最大の悩みは、その「水を失う」という足音を聞いていること、だろうと思う。

カザフスタンへの国境を超える。アフリカ大陸に渡った時のような錯覚を覚える国境越えだ。
アルマトイは、カザフ語ではたしか「リンゴの木の森」のことだ。
かつて1991年ソビエト崩壊時のCIS独立国家共同体の調印式もこの街だった。
古都だ。

その天山山脈の白きたおやかな峰々の北麓に広がるこの町は、とにかく素敵なところだ。
森の中に街がある。古いロシア様式の建物とミッドセンチュリーな建物が並んでいる。つまりここは水が豊かなのだ。

しかし町を離れて西に向かうと風景は荒涼とし始める。
そして右手にバイコヌール宇宙基地を過ぎてしばらく行くとアラル海に到達する。
道の左右はカザフ族の墓のほかは、潰えそうな寒村ばかりだ。

アラルは水を失った海だ。アフリカのチャド湖、ユーラシアのアラル海は、
いずれにしても20世紀の人類の愚挙の象徴となった。

本来アラルに南から流れこむアムダリア川は綿花栽培の灌漑に取水され、
東から流れるシルダリア川は、天山山脈の大量の雪解け水をどうしたものか、失ってしまっている。
地図には川沿いに港のマークがあるので探してみたが、そんな水の量は流れていない。
まあ水路のようなものだった。

この時の旅の原風景は、筑紫哲也時代のnews23のエンディングで流れる加藤登紀子の
「川は流れる」にあった。バックに流れる映像こそは、アムダリア川。。。
ここが洋の東西を分かつ。とヨーロッパでは言われていて、パリ北京の時には
ルートブックには、特別に大きく書かれていた。
川を鉄橋で渡ったのはウズベキスタンでだった。

アラルの風景はとにかく悲しい。港町はクレーンや放置されて錆び行くままの鉄の舟、
水のあったはずの海は、まあ沙漠だ。

数日後ロシアに入る。
サラトフでは驚くばかりの水を流すボルガ川を渡る。
驚いてはいけない、この川はモスクワとサンクトぺテルの近くの山から
流れはじめカスピ海に流れ込む。
この水の量こそが、ロシアの豊かさだ、大シベリアに積もった雪が
1年中通して膨大な水を流す。明石海峡のような水の量にあきれる、
町も大きい。

そしてロシアをあとにウクライナに向かうと、先にも書いたドニエプル川。こちらは黒海に流れ込む。

さらにオデッサをあとにモルドバ、ルーマニアの国境にはなんとドナウ川がデルタを形成している。
とにかくこのあたりは水が豊かで、大地が伸び伸びとしていて恐ろしいばかりの農業プロダクティヴィティを抱えている。

真の豊かさは、これだ。
荒地ばかりの中国。カザフ。地平線まで穀物が波打つウクライナ。
またそこに戦火が及ばないことを願う。
そして美しい川が流れ、人々の豊かで緩やかな生活が紡がれていく、
そういう時代を望むばかりだ。

 


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「3月ですね。」- 2014/03/05 (水) – OV

早いもので、いわゆる年度末です。
ここ数年に比べるとずいぶん年度末の駆け込み公共事業が増えました。
復活、したのでしょう。

元来、日本人というもの計画的に物事を進めるのが好きなはずなのに、
もっとスムースな工事の仕方をなぜ?
そして4月以降夏場まではなぜ工事をしないのでしょうか?

まあ答えはどなたもご存じの「予算がつかないので」なのですが、
経済を安定させてさまざまな工事をスムースにしたいなら、
特に公共工事などは単年度予算主義を改めるべきです。
出来かけの道路も3月末でぴたりと工事を停めて
再稼働は冬まで待たなければなりません。
地方の建設関係は、春から夏場にかけては労働力余剰で、
冬から年度末には労働力不足。
いずれも経営の大きな負担であり課題になっているはずです。
もったいないと言わざるを得ません。

とはいえ我々も、すっかり事前の作業が「わかっているのに、間際まで」
ほったらして置いて直前でバタバタしていませんか?!

SSERの30年の歴史で?ちょっと大げさですが。。
イベントの準備は前々日までに済ませる!をモットーにしていました。
前日はヒマそうにするんです。
やって来た人たちを拍子抜けさせるためではありません。
まあ少しはそれもありましたが・・・。
スケジュールとやるべきことは1年前からわかっているのに、
なぜ直前で朝まで作業をしないといけないのか?ボクはその理由がわかりません。

といいながらボクは年度末納めのいくつかに、きっとバタバタするのでしょうねえ。

 

きょうの一枚
霧島4000ラリープレート完成しました。
それに本レギュレーションの発送もしましたよ。。。


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