No.0274 – Organisation Voice 2001/03/29

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1998年のモンゴル、ホブドという西の果てにある町に着くSSをフイニッシュした長谷見選手は、テレビカメラに向かって「いやあ、モンゴルには世界の道があるねえ。」と感嘆した。そうだ、さすがは長谷見選手!その通りです。世界の道なんて、その多くが穴ぼこだらけの、雨が降ると水溜りだらけの、そのくせその水溜りときたら空の青を映していて、まるでブルーのインクを流したみたいで、それは美しかったりするのです。 一方、舗装路なんて、僕たちが子供のころには町の中に少しあっただけで、ほとんどが土の道だった。未舗装路なんて言うのは、舗装されていることがスタンダードだからそういうんだ。「まだ舗装されていない、だけど間もなく舗装するからね」という意味だ。非舗装路(舗装することはない道、してはならない道なんてのはないんでしょうか。)

そんな子供時代の、夏の暑い日は、決まって埃っぽくて、夕方になれば、どの家も打ち水をして涼をとりつつ、埃を抑えたものです。土手の上を走って家路に向かう、お父さん達の自転車やバイクの巻き上げる埃が、まあ風物詩のようなものだったし、誇りまみれになって帰ってくるお父さんたちには、ビールを飲む権利みたいなものが備わっていた。僕の子供時代の体験といえば、そんなことだったから、試走隊で暑いモンゴルの道を走るたびに「そうだ、世界の道のスタンダードなんて、こんなもんさ。」と思いながら、ウォッシュボードに辟易としながら、激しいデジャヴュに襲われたりします。「ああ、この道は、子供の頃に走ったことがある。」とかね。間違ってたらごめんなさい。

ひょっとしたら、いまや舗装されてる道しか走ったことがない、なんて言うのは、日本人くらいじゃないかしら。家のすぐ脇に、未舗装路、あっ非舗装路がないなんてね。そんな彼ら(ゴメン、僕ら)日本人の中には、舗装されつくした道の上で、大渋滞に巻き込まれながらも、海外の自然保護運動をラジカルに考えたりしてる人も大勢いるんですね。ラリーレイドモンゴルも初期には、そうした激しい批判を浴びました。「草原の中を走って、タイヤの跡をつけるなんて、けしからん。断固反対する!」という電話、投書、果ては朝日新聞への投書は記事になり、そうなると一方的に、彼らの意図を反映して、悔しい出来事が連鎖する訳です。スポンサーの担当者も困り果てましたねえ。「やっぱり、ムヅカシイですねえ。」

話は変わりますが、最近のことバイクで土手を走っていて、思わず土手を駆け下りました、ふりかえって見ると、土手の雑草の中に、1本の轍がついた。「しまった」と思ったものの、さてこの土手の存在そのものは美しいのだろうか、道路も土手も、人間の都合による環境破壊の一種ではないのか。「もうこんなことばかり考えるのは止めよう。」

ところで、日本の治水に関する考え方は、雨水を出来るだけ早く海に返すことにあるそうですね。だから、今まで川をコンクリートで固めることを、せっせとやって来たんだそうです。道路の考え方と同じですね。若しくは諫早湾干拓事業と構造的に似てる。その分、ナニが正しくて、ナニが間違ってるのか、分かりにくい。ナショナルジオグラフィック4月号の「地球の環境」の特集は「水資源」。こう書いてある。「海から蒸発して地上に降り注ぎ、川へ流れ込んで再び海に戻る水は、無尽蔵の資源であるかに思える。だが、地球上の水のうち、淡水の占める比率はわずか2.5%。しかもそのほとんどは、極地で氷や雪になっている。こうした地球の淡水のうち、私たちが利用できるのはわずか0.6%にすぎない。」早く海に返すのは良くないみたいよ。じゃあダムは?ってことになってさらに分かりにくい。要は、あのニックキスギ花粉じゃなかった、杉の木だらけの山がいかんのじゃ


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