あの時も、林道には栗のイガがあちこちに落ちていて、取る人も居ない野生の栗の実の多さに驚いたのは久万高原。それに彼岸花の赤と金色に色づいた稲に、錦絵のようだなあ、と感動したのもあの時の久万高原。
もちろん携帯電話もなければコンビニもない。道すがら畑仕事のおばさんにトマトを分けて頂いたり、房代野(スイマセン、超ローカルで)の湧水に癒され。日が暮れかけると、高原に響く有線放送から流れる、「遠きぃ、山に日は落ちて~」なんていう曲だ?あの「新世界より」の日本版の唱歌。あれが、いかん。
あれがさみしさを誘うんだ。
山の斜面に張り付いた民家からは、夕餉の支度の煙がたなびき、日本の原風景はやはり「秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行く とて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などの つらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音、虫の 音など、はたいふべきにあらず。」
と、不完全な記憶の(↑は検索したからね。)枕草子をそらんじてみたりしながら、「明日も来なきゃ」とバイクを走らせたものだ。
その時はボクもまだ29歳だったので、今年29年目と聞くとそれまでの29年と、それからの29年の分水嶺のようなものがSSERのはじまりだったんだと妙にしんみり。
あのころは、トライアルにはまっていたというのにある雑誌の表紙を飾ったISDEの写真・・・ちょうど二人のライダーがカウンターを当てながら古いヨーロッパの、石造りの町並みを駆け抜ける・・・に心を奪われて、そしてさらには始まってそれほど間のないパリダカや、BAJAや、世界のいろいろな土地で開かれるそれぞれ個性的なアドベンチャーなレースに心を奪われていて。。。
SSERは、来年30年。大きな区切りかなあ、とも思うし。複雑な胸の内を抱えて、さあ東京へ行かなくちゃ。そんで帰ったらすぐモンゴルへ再び。
でも、あの企画書も、その見積もりも、山積みの仕事が野ざらしに。怒られるだろうなあ、きっと。
The29th SSER 3DAYS CLASSICS エントリー受付スタートしました [終了しました]
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