2011/03/25
「危機管理とは何だろう」
石巻から帰還して後方支援の作業をしています。すると石巻にいるときは石巻しか見えていなかったのが、離れるほどに広く全体像が見やすくなります。ひとつの現場を知ることは大切ですが、全体を知るには少しばかり退いて見なければならないということでしょうか。
世界は、さらに遠くから見ているでしょうから福島も東京・大阪も、同じことです。松山を心配して「モンゴルはできるのか?」と心配の声が届きます。モンゴルへ日本の食材が持ち込めなくなるかもしれません。今では食材はウランバートルで調達してはいます。中国から「安全な中国の食材」と言われはじめていることに、屈辱的な思いがします。そんなに安全なら四国に送ってください。四国でみんなに配りますよ。
その福島第一原発の問題は、石巻では語られていません。当然です。女川原発でもそうです。危機は目の前にあるものが優先されます。つまりその危機を回避することが当面の課題になります。「いま、そこにある危機」というわけです。しかしその危機を回避したところで、その先がばら色!だなんてことはあまり無いでしょう。さらに大きな危機が待っているのでは、心が折れてしまいませんか?
今回の原発の問題は、目の前の危機の話と責任問題がごっちゃになって流れています。当然でしょう。避けられた危機です。でも二つに分けて話をしたいものです。東京電力はがんばっているかもしれませんが、それは現場の話です。この3月期の業績予想は、売り上げ5兆円超、経常利益2000億円、当期純利益900億円ですから、福島の被災者、農業被害の人たちにはとりあえず900億円を拠出しても良いとは思います。
危機管理が場当たり的です。最悪のシナリオを想定して動いていません。政府も含めてあまりにも無能ではありませんか。「想定内」てのはホリエモンが流行らせた言葉です。想定レベルが低すぎるのではなかったのですか?津波が予想されるエリアに、外付けの緊急発電用の燃料タンクやディーゼルエンジン、たとえば地下の完全に防護された緊急発電システムや燃料貯蔵庫。なんなら火力発電システムくらい内在させるくらいの危機管理は、素人目でもわかります。
それから情報の出し方が、まったく危機広報の原則を持っていません。最悪の想定はすでに行ってるはずで、それなのに「大丈夫だ」の連呼は、もう狼少年に成り下がってはいませんか。
きょうの一枚
海外のサイトから拾ってきた福島第一原発の写真。海外での伝わり方はこの写真から容易に想像ができるはずです。
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