No.0491 – Organisation Voice 2003/02/21

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「彼方へ」の原稿が、中央アジア、シルクロードの要衝カシュガルに着くころ、NATIONAL GEOGRAPHIC誌刊の「再見マルコ・ポーロ東方見聞録」(今日の一枚)という写真集が届いた。分厚くてすごい写真集だ。でも3800円ナショナル・ジオグラフィック社の底力を感じずに入られない。その冒頭には、こう書かれていた。「マルコ・ポーロは本当に中国に行ったのか。すべてはこの疑問から始まった。ロンドンの大英博物館の中国部主任フランセス・ウッドは、1996年にこの題名で出版した著書の中で、マルコは中国を訪れてはいなかったと明言している。」アポロ11号の話によく似てるんで面白い。

日記を整理していると「2002年11月16日江上波夫先生死去96歳」とあった。書庫には「騎馬民族は来た来ない」とか「東西交渉史」「後漢書西域伝」などなど先生の著書も少なくない。で、江上波夫先生、僕の親しい友人で ADKの高木氏も傾倒してて、一緒に中国を旅したことがあるというからすごい。これはどこかの大掛りなシルクロード博だかなんかのプロデュースに携わった時のことらしい。

で新聞の切り抜き「大陸からやって来た騎馬民族が征服王朝を築き、日本の支配層になったという説を唱えて、戦後の歴史学界に大きな論議を呼び起こした、考古学者で文化勲章受章者の古代オリエント博物館長・江上波夫(えがみ・なみお)さんが11日肺炎のため死去した。96歳だった。(中略)歴史学、人類学、民族学などの成果を取り込み、日本の国家形成を東アジア史の枠組みでとらえた壮大な「騎馬民族征服王朝説」を48年に発表。4、5世紀のユーラシアで北方系の騎馬民族が次々に南下して新王朝を建設したことを踏まえ、日本もその例外でないとし、神話に始まる天皇家の伝統を教え込まれてきた日本人に衝撃を与えた。」

いつか読んだCWニコルの「白い鹿」もこういった内容が興味深かった。農耕民族と遊牧(騎馬)民族。僕はパリから北京への道中に、マルコポーロのことを思い、するとなぜか江上波夫さんの説を思い、そしてチンギス・ハーンやフビライ・ハーンのことを考え、なぜだか日本の天皇のことを考えた。何かすべてのものが、つながっていて関与しあって形成されているんだなあ。としみじみ。来年は必ず!シルクロードの奥地へSSER-TOURSは行くんだよっ!!


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