コマ図にあるように砂丘地帯なので全部コンパスでの指示になっています。
それもアフリカと違い砂丘がねじれているので、トヨタ車体の三浦ドライバーもランクルで精いっぱいのコースだと話しておりました。私の車は32.71キロ地点でポイントを取ったとたんに、パワステが壊れてしまいました。
図にあるようにたまたまフラットな地点だったので、大事に至らなかったのですがそこからの脱出が大変でした。急いでチームの本部に衛星電話をするのですが、相変わらず通信状態が悪いのです。現在の居る緯度経度を説明するにも20分も掛かります。
パワステの高圧ホースからオイルが漏れたお話をするのですが、ジョイント部にオイルが付いてる話をするとジョイントのます締めをしてオイルを入れてエアー抜きをして走って下さいとの指示があり、その通りにしたのですが、ジョインではなくホースから漏れていたんですね。120気圧も掛かっているオイルなので、エンジンをかけたら持っていたオイルが全部出てしまい、予備に持っていたホースに付け替えてもオイルが無いのです。28年間やってますが初めての経験でした。サポートチームが部品を持って来てくれる事になったのですが、時間を短縮するためにパワステ無で200km走りました。
これで今年のラリーの精魂使い果たした感じがしました。
菅原 義正
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