Organisation Voice 2006/08

2006/08/31 (木曜日)

チェックカードをまじまじと見ていた。なんでもない一枚の紙だけど、これを貰った瞬間から時間との戦いがはじまる。左腕のチェックカードホルダーに差し込むもの、シートの先端にあるノグチシート製?のホルダーに差し込むもの。CPやゴールで指の力を失って自分では取り出せなくなってオフィシャルに取り出してもらうもの。そのままスタンプを貰おうとして、ケースにスタンプ大の穴を開けているもの。ひどく汚れたカード、たった一枚のカードだけれど夢と困難と、それを克服した何かひどく大切なカードのような気がして・・・最終の確認が終わればみんなに返してあげればどうなんだろうか?とか、いろいろ考えた。
BTOU最終局面の闘いは実はさまざまに彩られていて面白い。スプロケットを失った池町。40分差で2位の池田は、それを探すのを15分だけ手伝った。絶望的な展開、池町の失った勝機と勝利の女神の気まぐれ。池田が出発したあと池町はスプロケットを見つけた。しかしワッシャーが見つからない。通りかかった遊牧民が見事にサイズのピッタリのそれを手渡す。鬼神の走りの池町。この話題に沸いていたRCPに異様な速度で突っ込んでくるマシン。池町がこの最終局面ETAP-9で池田に遅れること30分。しかし総合ではかろうじて15分差で首位を守った・・・15分、それは池田が池町の元にとどまった15分。実は凄いドラマがあったのですねえ。
いやどちらもあっぱれではあります。そんなエピソードをテレビのシナリオに書いたんです。けど放送は地方だけ。
きょうの一枚
奇跡的な出来事も強運で片付けてしまう池町。いまはラリージャパンのレッキ中で、まあその世界でも活躍するはず・・・それほど凄いやつになってますよ。

2006/08/30 (水曜日)

BTOUの記録をVTRと写真で試写中。写真集にしてもVIDEOの編集にしても、まああまりにも膨大な素材の中から組み立てていくのであります。素材が少なければ「こんな少ないのでは出来ん!」と毒づくのでありますが、こうも多いと「多すぎて全部見る時間が無くて出来ん!!」とやっぱり毒づく!のであります。人間というのは実に勝手なもの・・・
さて写真集は、今回は北京を皮切りに1エタップずつ競技の流れに沿って編集をして行こうと思います。そんな目でビデオも見ていると、エタップ4で大きく勝負の行方が動こうとしている辺りが興味深く見れます。初日からトップに立った池町佳生が何度もトラブルやら、自ら招いた大ミスコースやらで優勝争いを面白くするか!?と思わせておいて、その実そのエタップのうちに驚異的な巻き返しで、先にゴールしたライバル達を、なかば「あ然!」とさせる強運と勝負強さを見せ付けます。RCPで2時間あいたビハインドをあと130kmあまりで40分差まで詰めて貯金を使い果たすことなく首位を守ったり・・・と、そんな面白い戦いぶりがさまざまにこれから紹介されていくことでしょう。
本当に愉快で素晴らしかったBTOU!これからつまびらかになっていくことでしょ
きょうの一枚
先日「いずれまた・・・」と書いたチンギスハーンホテルのポーチに止まってたR1200GS-ADVの写真が出てきました。なかなか、やってますが世界のアドベンチャーフィールドも狭くなりつつあります。でも大切なのはハートではありますまいか。

2006/08/28 (月曜日)

申し訳ありません!!というのはSSER 2DAYS-CLASSICSの開催日程の変更!の件でございます。予定通り開催すべく鋭意努力をしようと試みたのですが・・・あいにく肝心の1ヶ月前!にボクがダウン!!つまりこの一番肝心なのは、このタイミングまでの事前調整。ならば!とばかりに既に手配済みのGroup-Nと合併開催してチョッと力強く行こうではないか!!という結論に達したものです。22年目!ということで、振り返れば長い時間継続して来たものだなあ、と感慨もひとしお。昨今のエンデューロのムーブメントの隆盛は、目覚しいものがありまして実は大半の役目は過ぎたのかなあ・・・なんて事も考えたり。ともかく、日程変更は前向きに捉えてのことですから、ぜひともこの秋の夜長の風趣にとんだ?SSER 2DAYSをお楽しみ下さい。さてBTOUの写真集は9月中旬!?に発刊予定。写真をエントリーされる方はお急ぎくださーい。
きょうの一枚
池町を強襲するヘリ・・・ああ武装してたらなぁ・・・ダダダダダッ!と行くんですが。でこんな写真があるということはカメラ側もヘリ・・・ということでさぞや怖かったことでしょう池町クン。ローターの先がヘルメットを掠めたことでしょう。

2006/08/24 (木曜日)

暑さがこたえて?ボクは激しい夏風邪をひいてしまいました。そんなことしている場合じゃないってのに・・・というのもラリーの大量の映像と写真!!と闘わなければならない数週間だからです。参加された皆様からも、デジタルに限られますが自信の1枚を(いや2枚でも3枚でも・・・)をお寄せ下さい。当初のお約束どおりフォトブックを作成して掲載させていただいた上で、数部をお届け!!致します。ということで風邪がひどいので今日はこの辺りで・・・来週はBTOUを振り返ってさまざまな角度から検証をしてみようと思います。

2006/08/23 (水曜日)

「届けられたETAP-5のランタン・ルージュ・メダル」
熱い夏の記憶に彩られたBTOU2006の現場より、ようやく帰還いたしました。8月初旬北京、高速道路をすべるように走るアウディの窓からまだ初々しい百日紅(サルスベリ)の花が伸びやかに空に向かって咲き競っているのを眺めました。「百日紅の花、好きだなあ」夏が来るたびに思います。中国にあっては、まさに中国的で日本の山里にあれば、まさに日本の里山的なその花の佇まいはボクの魂に響きます。一方モンゴルの大地、今回のラリールートには花々が咲き乱れていました。ゴールするごとにスガワラサンは「今日もお花畑がきれいだったよ」とH木編集長は「涅槃とはまさにこういうところのことを言うのだと思いましたよ」とムズカシイコトを言います。そのほかにも「花が咲き乱れていて、ピストをはずせない」とか、ラリーの中にあっても、その花を愛でる心を持つ参加者の心情が嬉しくもありました。
今回は全てのステージにステージ優勝メダルとランタン・ルージュ・メダルを用意しました。MOTO部門は池町が全て持って行く!のではないかという勢いでしたが、エンフトル、池田、マコちゃんらがパーフェクトを阻止!AUTOは面白いように日替わりで、挙句プリウスに1回は獲られるという展開!そしてランタンルージュはひめぎんとミニ軍団の熾烈な?争奪戦(本人達は全然そうは思っていない)そしてETAP-5の表彰をするブリーフィングで「このランタン・ルージュ・メダルは、事故を起こして緊急輸送された34番の選手が無事に生還できるように、そしてその暁には彼に渡したい。」と1個だけ渡さずにポケットに忍ばせて、ガストンライエの写真と共にラリーの最後までを見届けてきました。昨日、そのメダルを持って広島の病院に出かけました。そして彼の枕元に、最後の生還者を讃える証として置いて参りました。
このことはこうしたHP上ではなく参加した皆様にいち早くお知らせするべきだと思ったのですが、いやいや最速はこのOVだと思い、ご紹介しました。10数年通い続けたボクにしても、最も美しいと感じたこの夏のモンゴル。池町の戦いぶりもミニとひめぎんの戦いぶりも、プリウスなどの戦いも、どの一つを切り取っても美しく激しく勇気とロマンに彩られたすばらしいものでした。こうした記憶が、さらに昇華していくためにも弛まざる歩を進めていくことにしましょう。
きょうの一枚
1995年のシャートー・ムートン・・・モンゴルのスタートした年のワインを、参加者や役員の有志より寄せ書きと共に頂きました。ありがとうございます。近々飲むです。

2006/08/07 (水曜日)

いよいよ明日、BTOUがスタートします。全員元気で最後の調整に余念がありません。ひとつ残念なことがあります。それは月が満ちてきていること。今ようやく陽が沈んだと思うと東の空は半月がかかりその明るいこと。これでは満点の星空が仰げません。あと数日で満月、ラリー最終盤には、プラネタリウムもびっくりな星空が仰げることでしょう。ウランバートルの現在の気温は12度。肌寒いを通り越してフリースやダウンが登場しています。さて、明日はエタップ1の速報をお届けします。 (06/08/07 00:01)

2006/08/04 (金曜日)

BEIJING-ULANBAATAR2006、スタンバイ完了です。天候も良好。ただし小泉首相の訪モの日程が二転三転していて、こちらの事情は大変です。ゴールのパレードは小泉さんとニアミス?するかもなのです。
ボクは本日涼しく快適なウランバートルをあとに、北京へ向かいます。北京は故宮の近くで、参加者のみなさんの到着を待ちます。今夏はヨーロッパ、北米が猛暑のようでユーラシアは少し過ごし易いのでしょうか。
8月5日、北京のブリーフィングは8月6日16:00ウランバートルでの開催に変更いたしました。8月5日は、夜まで北京の散策を楽しんでもらおー!という素晴らしい配慮!なのですが、実は北京飯店は政府関係のセミナーがいっぱいで・・・まぁそんなオールドチャイナな由緒あるホテルです。ボクも一度泊まりたかったホテル。
そんな8月6日は原爆記念日、61回目になりますね。昭和は遠くなりつつありますが、世界はいまだ不安定で、戦火もどこかで止むことがありません。通訳の若い男の子も、フランスの外人部隊に志願してる!というのを聞いて言いようのない気分です。

2006/08/02 (水曜日)

ホテルのポーチにR1200GS-ADVが停っていた。写真を送るのはまた今度・・・(通信事情が宣しくない。)まさにこれぞ大陸間弾道弾!マドリッドから、ひとっ走りでウランバートルまでやってきた。でタイヤを見るとどーもロード寄り。そーだ、ほぼ舗装路だけでやって来れるのだ。仮に北京を目指すのであれば、中モ国境までは悪路だ。
ともかくそんなことよりこのモーターサイクルの最も美しいシチュエーションであることは間違いない。全てがノーマル+オプションだけで、これほどまで完璧なマシンはちょっとほかには無い。オーナーの姿は見当たらなかったが、その佇いは、自信に満ちていて、「なんでもない」という様子がにくらしい。
そう言えばシトロエンがヨーロッパから走ってきたお話しをしましたが、先週は20台ばかりのヒストリックカーがフランスからやって来た!という話を聞きました。どーもヨーロッパからウランバートルまでの新しいアドベンチャールートが拓かれているようです。それはロシア事情が好転したことも影響していると言います。最近まではロシアンマフィアが道を塞いで通行車両に悪行を働いていたはず。「そんな小銭をかせいでるヒマはないほど忙しい」らしいのでどーも安全は確保されてきた模様。いずれにしてもロシアの高度成長が、恒産無きところに恒心無しを地で行ってる感じ、まあ金銭的にひと段落すればモラルも上がるのでしょう。
日本人も、もっとモラルアップ!!人の見てないところでゴミを捨てたりとかしないように。ラリー参加者がお手本!!