The 10th CROSS COUNTRY RALLY HOKKAIDO 4DAYS 2016 – Message

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新緑の北海道、10年。


春木久史

h4d2016_photo北海道で初めてSSERの運営によるラリーが開催されたのは2002年、第1回のツールドニッポンで、すでに芦別市が開催地となっていました。

山田さんのお声掛かりのため、ぼくはこのツールドニッポンの北海道でのルートメイキングをお手伝いしていましたから、ツールドニッポンの記憶と、北海道4デイズの記憶は、幾分、入り混じっているかもしれません。

それがどのような意味を持つかということとは別に、北海道4デイズの源流は、そのツールドニッポンにあり、即ち、菅原義正氏、故ガスト・ライエ氏、山田さん、そして故斎木達雄先生の交流とラリーに向けた情熱によって生まれたものだということを忘れるわけにはいきません。

もちろん、これまでこのラリーに参加してきたライダーのひとりひとり、また誰ひとりとして欠くことのできないオフィシャルスタッフのひとりひとりが、このラリーを作り育ててきました。

ぼくにとって、みなさんと一緒に過ごす4日間は、この10年の間、もっとも大きな楽しみのひとつでした。許されるならば、これからもそうしていきたいと強く願っています。

夏の北海道ほど素晴らしいところはない。緑は輝き、空は青く、空気はどこまでも清々しく、そこに暮らす人々も、短い夏を謳歌しようと、面を上げて大空に手を拡げているように見えます。

その素晴らしい季節を、ラリーというフォーマットを活かして、目いっぱい楽しんでもらいたい。

ぼくたちが住むこの北海道の良さを見て感じもらい、最高だった、と言って帰ってもらいたい。第1回のラリー以来、その思いはまったく変わっていません。これは北海道4デイズに関わるスタッフ全員の想いでしょう。

北海道の各地で、地元のモーターサイクルクラブ、自治体の協力を得て、ビバーク、スペシャルステージが行われてきましたが、これまで参加していただいたみなさんには、きっとその思いが伝わっているのではないかと思います。

北海道4デイズに大きな魅力があるとすれば、そのひとつは、そうした想い、歓迎の気持ちではないでしょうか。

北海道4デイズは、比較的ライトなラリーです。基本的に夜間の走行は無く、夜間のスペシャルステージも行われません。

北海道は交差点も少ないので、ロードブック(コマ図)の数も少なく、その間隔は広いため、電動ではないいわゆる手巻きのロードブックケースで充分に競技することができます。

走行距離は1日最大で450km程度ですが、国道も二級道路も、ほとんど信号が無く、交通量が少ないため平均して移動時間が短く、体力的にも比較的イージーでしょう。

夕方は大抵、明るいうちにホテルまたはキャンプ地に入って、ゆっくりと食事を楽しむことができます。

多くの人にとっては、遠隔地となるため参加するのは簡単ではありませんが、ラリーそのものはハードルが高いものではありません。

というと、2015年に恵庭のスペシャルステージを走った参加者は苦笑すると思いますが、すみません、あれはちょっとイレギュラーでした。

北海道4デイズのスペシャルステージにあのようにハードなトレイルが含まれるのは、この2015年の恵庭ステージが最初で最後ということをお約束します。

また、この場をお借りし、改めて、あのステージをオンタイムで乗り切ったライダー、そして最後まであきらめずにラリーを続けたすべてのライダーに敬意を表したいと思います。

また、快くラリーを迎えていただき、結果的にハードにはなったものの、素晴らしいステージをご提供いただいた恵庭エンデューロ実行委員会の皆様、そして恵庭エンデューロにご参加のライダーの皆様にも改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました。

ラリーはライフスクールだ、という言葉を耳にします。そこにはいろいろな意味が含まれているように思います。

ひとつには、限定された時間の中で、次から次に、重要な判断を要求されるということがあります。

マシントラブル、ミスコース、ちょっとしたつまづきは、すぐにタイムの遅延を招き、それに対処するためにあらゆる方策を探し、瞬時に妥当な判断をして、ほぼ同時に行動に移さなければなりません。

いつものように一晩寝てから考えればいいや、というような悠長なことをを言っていたら、ラリーはすぐに終わってしまうでしょう。

日常生活だったら数年かけて経験するような緊張した時間をわずか数日のうちに連続して体験し、経験にすることができる。そういう意味でのライフスクール。

また、たくさんの友情を育むことができると言う意味もあると思います。

北海道4デイズという、1年にわずか4日間という時間で、かけがえのない友人ができたという人がたくさんいると思います。

ぼくも同じです。この10年の間には別れもありましたが、それは単なる喪失ではないということも学んだように思います。

今、2016年の7月に向けて、緊張と興奮がないまぜになった想いが胸を満たしています。新しい仲間にも出会えるでしょう。

夏の北海道で、必ず再会しましょう。

 

2016年はより広く北海道を走り尽くす


春木久史

まず最初に、現在の北海道4デイズが目指している競技のアウトラインを示すために、2015年の恵庭ステージのことに言及しなければなりません。

多くのライダーが走行困難な状況になったスペシャルステージでしたが、これは予想していたコンディションの悪化を遥かに超えた結果でした。

通常のスペシャルステージであれば、早い段階でキャンセルしてショートカットする等の対応をすべき状況でしたが、約40kmのSSのコース上では他の競技を併催していたため、ラリーのためだけにコースを閉鎖できる状況になく、そのためスペシャルステージは続行することになりました。

このハードなステージを素晴らしいテクニックで乗り切った選手、結果的に時間内に走破できなかったものの最後までラリーを諦めなかった選手の名誉はいささかも減ずるものではありませんが、こうしたハードなステージが来年以降の北海道4デイズで行われることはありません。

2016年のルートプランはまだ発表する段階ではありませんが、ここ2年ほどのルートよりも広い範囲に展開する予定です。競技であると同時に、ラリーというフォーマットを活かして北海道を100%堪能していただくツーリズムとして意識したルートプランです。10年という節目を記念するにふさわしいラリーにご期待ください。

 

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