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No.57
2003/01/29

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「南方郵便機」

■ダカールラリーって、いったいなんなんだろう。どうして、北アフリカを、あのようにして、先を急ぎ、競い合いながら、文字通り命をかけて走り続けなければならないのだろう。しかも多くのものを巻き込み、まだそこに行ったことがない者たちまでも、遅れをとらじと焦燥に駆り立てる。「ダカール、夢。ダカール、狂気」という言葉もまさにそのままに…。

■「サン・テグジュペリの…」と言えば、ああ、星の王子様!! と連想する人が多いでしょう。ぼくも、そうなんですが、今、ダカールラリーが終わった時期にぜひ読んでみたいということで、ちょっと紹介したくなった一冊が、この「夜間飛行」。航空機の実用化とほぼ同時に興った航空郵便事業、その草創期のフランス、北アフリカを舞台にした、サン・テグジュペリの処女作「南方郵便機」を含む文庫版です。

■特に、どう、というわけではないのですが、フランスにクロスカントリーラリーが始まって、それが今でもロマンティシズムをたたえたまま存在し、人気を集めているということの理由が、言葉ではなく、雰囲気として理解できるような気がします。逆に言うと、オアシスラリーに始まるラリーレイドというものが、なんの必然性も文化的土壌(良い悪いは別として)もなく、ポコンと生まれてきたわけではないということが、わかるということです。

■「ダカールより、ツールーズに告ぐ……」 ツールーズ、バルセロナ、グラナダ、マラガ、カップジュビー、ジブラルタル、アガデール、サン・ルイ・セネガル。小説、南方郵便機には、みんなもよく知っている、フランス、イベリア、北アフリカの地名がいろいろと出てきます。目をつぶると、サハラの乾いた空気によたよたと浮かぶ、ちっぽけな郵便機が、ひとりぼっちで地平線に消えていこうとする姿が浮かんできます。

 

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