Mail

事務所移転の
お知らせ

 

 

 

 

 

 

 
 

 

<< No30(07/11/26) No32(07/12/12) >>

DAY31 (07/12/05掲載) 
=======================
「ファイナル・カウントダウン」

北京からパリまでの大陸を横断するラリーも残り1,000マイルを残し、いよいよ最後の休息日となった。各自のんびりと過ごしたり、パリでのパーティーを思い描いたりで気勢が上がるがラリーはここからが長い、この5日間で5つの国を走り抜けてきた車と共にポーランドの未走区間とドイツをこれから越えていかなくてはならない。

カー・パークでは午後、#61のゴードン・フィリップが1929年製のベントレー・4,5ルマンのカムから出るノイズが気になり部分的にエンジンを開けてみたものの事態は好転せず、結局異音が出るエンジンのままで最終ストレッチを走り抜くこととなった。#68のフランコム夫妻組は、1933年製のダッヂ・ロードスターのギアボックスを完全オーバーホール中。ここに辿り着くまで2段しか使えなかったのが、運良く部品を幾つか持参してたので近所のワーク・ショップでの作業は午前2時まで掛かったものの無事に3段変速へと元通りになった。デフのトラブルでこの2日間を棒に振った#115、マィカイトウィッチ組の1958年製ホールデン・FCは、ここでようやくアクスルの調達に成功明日から本隊に再合流となる予定。

#29のフロスト夫妻組は、ピストンに問題の生じた1928年製シボレー・ABロードスターの修理をここでは断念しドイツまでトラックで陸送、現地でのエンジン・リビルドに望みを託す。#12のフルトン/ブラントジェン組は、1919年製エセックス・6Aのブレーキ・シューが磨り減ってしまったので、現在再生作業中。#73のベーカー/ボイランド組は、1937年製ダービー・ベントレー4,25の破損したエキゾーストのジョイント部分を間に合わせで何とか繋ぎ合わせあてがったブリキと共締めの金属バンドが、せめてあと3日間持つようにと鋭意作業中だ。#38のナイジェル・ガンビアは、1934年製ラゴンダ・T7のフォード用の部品を流用して壊れたスターター・モーターをリビルトした。#105の女性クルー、マッカーシー/ハーヴィー組は1954年製シトロエン・トラクション・アヴァンの前輪部分を覆うようにしてトラックのフェンダーの裏当てを流用して取り付けた。オリジナルのフェンダーの方が見た目が可愛いかったが、それらはモンゴルを走行中に落っこちてしまった。そして#117のマークス夫妻組は、1954年製ランチア・オーレリアのシャーシ前側をスポット溶接で補強した。

今日に限っては、感動秘話等のドラマは無し。皆、明日の早いスタートを狙っている。

バーの壁には、ここまでの全てのSSでの所要タイムが貼り出されている。面白いことに、現時点で一番優秀な成績を上げているのはジャガーやアストン・マーチンなどの性能的に秀でる車が所属するクラシック・クラスからではなく、英国人のウィリアムス夫妻組が駆るヴィンテージ・クラスの1938年製シボレー・ファンジオ・クーペで僅差で続く2位には米国人のステープルス/ケネディ組が乗る参加者中でも一番小さい車のひとつ、1959年製のVWカブリオレだ。しかもこのビートル、必要と有らば何時でも何処でもギンギンのフル・カウンターを繰り出してコーナーを駆け抜けその走破タイムの合計はアストン・マーティンやジャガー3,8のそれを凌ぐほど。ラリーに車格は関係あるのか?? VWはたった57馬力だぞ!!そして小切手のサイズもラリーに関係あるのか??ファンジオ・クーペはたったの1万ポンドだぞ・・・VWも似たようなもんだ。

パイオニア・カテゴリーでは、只今3台の車がゴールド・メダル圏内。内訳はと言うと、ロールス・ロイスのシルヴァー・ゴーストが2台にギリシャ人のイタラ。ヴィンテージ・カテゴリーでは、13台もの車がゴールド圏内でクラシック・カテゴリーでは意外にも8台だけ。いずれにしても、残り1,500kmの行程で”ふるい分け”となる。”リライアビリティ”こそが、この終盤の何日かで勝敗を分ける一番の鍵だ。中国からずっと計時の業務をこなしつつ、レスキューの仕事にも精を出していたアンディ・アクトマンによると、かなりの数のエンジンがもう”虫の息”らしくその内の何台かについては、無事ゴールまで辿り着ける可能性がとても悲観的とのこと。

すべては残り数日だ。