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DAY17 (07/06/25掲載) (NEW!!)
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いい風が吹いてきた!!
チュメニからエカテリンブルグまでの今日の行程は
350kmと普段の半分の距離しかなく、時折レイン・シャワーが降り注ぐ以外は
太陽の下、きれいな舗装路を行く短い移動日となった。
今日は我々のために閉鎖されたストリートからのスタートとなり
警察の先導の下、我々は一列に並んで走り出した。
近隣に在住する市民へのモーニング・コールとばかりにけたたましく響くのは
排気量14リッターを誇るラ・フランスの排気音で
4インチのエキゾーストから発せられるそれは
轟音もしくは破裂音と評されてもおかしくないレベルのノイズだ。
今朝のスタートまでにまた1台の車が本体に合流、共にスタートを切ったのは
参加車両中最古参の1903年製メルセデスを駆る#19、ティム・スコット。
昨晩遅くに街に辿り着き、久々にホテルのベッドに横たわったと言う彼は
この3日間はひたすら走れるだけ走り、夜は路傍で野営してたとのこと。
参加者中、一番最後までテントと寝袋を使う羽目となったが
おかげでこの感動的なリカバリーを達成することが出来た。
常連の読者ならすぐに、彼がモンゴルの村の鍛冶屋で
圧が掛からずに安定した燃料の供給が出来なくなった燃料タンクを
苦労して直したエピソードを思い出すだろう。
結局、この手間に丸1日を費やす羽目となってラリーの一行から遅れてしまったが
後輪にしかブレーキのない年齢100歳を超えるこの車で
クロス・プライのタイヤをすり減らしてモンゴルの端から端まで超ハードに走り抜け
国境を越えてロシアに入ってからも些細な事ではいちいち停まらずに
ひたすらアクセルを踏み続けて先を急ぐうちに野良牛を跳ね飛ばしてしまい
牛の皮でコアが詰まってしまったラジエーターの修理で
さらに1日の足止めを喰らうことに。
これに懲りたのか、残りの800kmは抑えて走り
辺りが闇に包まれて人間もクタクタになった頃に適当にテントを張って眠る生活を
3日間繰り返してようやく我々に追いついたのだ。
ウインドスクリーンすらないこの車での雨中走行は、さぞや厳しいものだったろう。
そうしてこの最古参の車は、途中で心を折ってトラックでの輸送に逃げることなく
結果としてすべての距離を自力でここまで走ってきたが
エンジンの調子はすこぶる良さそうだ。
今日のルートにはアスファルトを敷いたばかりの
きれいな舗装路が小一時間ほど続く箇所があったが
なぜか路面に巨大な穴が開いていて、その周りの舗装がめくれて大きな轍になり
すっかり油断していたクルーたちはそのまま飛び込んでしまい
車のシャーシをガリガリ擦って冷や汗をたっぷりと掻き
'やはりラリーに油断は禁物・・・' と肝に銘じたらしい。
我々はカツァオウニス/ラップ組とリヴァノス/ブライス組の
2台のベントレー・スピード6が強風の中、巨大な幌をうねらせながら
いい音を響かせてヴィーン組の白いメルセデス・630Kの後をついて走るのを見た。
唸りを上げながら進むこの#51号車の助手席には、今日の仕事をすべて
父のエティエンヌに任せて熟睡する息子・スヴェンの姿が。
冷たい風がオープン・カーのクルーに容赦なく当たり続ける中
急に姿勢がガクッと崩れ落ちて首が反対側に傾くも、まだそのまま寝ている様子。
前出の'大きな轍'で車が一瞬、大きく宙に浮いた時にさえ
彼は目を覚まさなかったそうだ。
恐らく昨晩は余程楽しい一夜を過ごしたのだろう、このシベリアの
凍て付くような風も、彼の二日酔いにはちょうど心地良いのかもしれない。
#6の7リッター・ノックス (訳有って現在5リッター) は
1気筒死んでるせいか、その排気音はまるでダンプ・カーのようだが
日に日に心配が募るクルーたちの顔とは裏腹に、今日も元気良くスタートを切った。
来る者あれば、去る者あり。
あの孤高の隻腕パイロット、#8のランチア・テータを駆る
ジャン・ヴォボリルが市街地に入るところで事故を起こしてしまった。
ロードマップを読みながらの運転で、ナビゲーター無しで交差点を右折するのは
難しいかなと思ってた矢先に前にいた車(最近のメルセデス)に追突
哀れランチアはフロントのアクスルが曲がり、ホイールが歪んでしまった。
撮影クルーのランド・ローバーに牽引されて近くの駐車場まで移動したものの
ここまで片腕一本でモンゴル全域とロシアのほとんどを走破してきたこの車も
今やとても残念な姿となってしまった。
はたして修理は可能なのか?
今日はずいぶんと沢山の通りすがりの見物人が通りに集まっていて
群集の密度はゴールに近づくに連れて濃くなり、パルク・フェルメに至っては
すごい数の群集で押すな押すなの騒ぎになっていた。
テレビ・クルーの数さえ、過去最高の人数が我々を待ち構えている。
明日は待望の休息日。
すべてのクルーが愛車の整備で忙しく駆け回ることだろう。
(#51のコ・ドライバー、夜遊び好きのスヴェン君を除く)
#1の赤いイタラは、ここでクランクシャフトのオイルシールを
交換することが出来るか?
大作業となることは確実だが、クルーのデーヴィッド・アイヤーの表情は
いたってクールなまま。
あと4日間走り続ければ、いよいよ大都市・モスクワだ。