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DAY14 (07/06/20掲載)
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モスクワの首都での休息日
ノボシビルスクはモダンな忙しい街で、我々はこの休息日を利用して
車のメンテナンスやモンゴルの砂落としにと勤しんだ。
多数のクルーたちは、ランド・ローバーのディーラー近くで
基礎的な修理を受けた。
シンガー・ナインは壊れたステアリングのままここに辿り着き
前輪のアクスルにそれぞれ繋いだ左右のラゲッジ・ストラップを
まるで馬の手綱のように曲がりたい方向に引いて力ずくで車の向きを変えながら
多数の信号やランナバウトを捌いて込み合う街中を事故にも遭わずに抜けてきた。
現在、新しいステアリングを装着中とのことで
臨機応変さと発明こそ、このラリーを完走に導く重要なファクターなのである。
駐車場では、より総合的なサービスが展開されていた。
キーラー組のVWビートルは何本かの重要なケーブルを燃やしてしまい
地元の修理工をホテルに招いての大掛かりな配線の引き直しが行われ
クルーたちは懸命に取り組んでいる様子。
ビンセント・ハモンド組のオースティン・16は
燃料タンクのシールドがずれて不具合が生じていたリアのロッド・ブレーキを修復。
油圧を使わない制御方式のため、壊れたロッドの交換も単純な作業だったとのこと。
リアのスプリングも痛んでいたので同時に修理を受けた。
ヘイズ/ヴァン組のスチュードベーカーはクラシック・カテゴリーで善戦してるが
ここに来てややヘビーなメンテナンスが必要な様子。
イタラのデヴィッド・アイヤーも同じような状況だったが
頭から爪先までオイルで汚れている状態。
ローリングス組のタルボットは今朝、新品のショック・アブソーバーに交換を済ませ
ホイールのベアリングもグリスをたっぷりつけて締め直された。
デフを壊して立ち往生してたジェリー・クラウンの大きなビュイックは
トラックでロシアまで持ち込まれてリアのアクスルを溶接し
ステアリング・ボックスも新しいものに交換、また歯を見せて笑っている。
赤いジャガー・マークUはクラシック・クラスの上位争いに加わってはいるものの
元々この車の弱点とされ、1960年代のラリーで使用された車両にも頻発した
スプリング・ハンガーの破損が、この#129号車にも発生してしまった。
重いエンジンを支えるマウントも壊れ、市内でひどいオーバーヒートにも悩まされ
クルーたちはここで、しっかりしたラリーの準備を怠った代償を払うこととなった。
#22、エリクソン/ドール組のビュイック・ピックアップは
ようやく本隊に合流、ここからまたイベントに参加することになった。
モーガン・プラス4のスパーリングス組は、驚くことに復活を計画中で
マーク・ローリンガーは愛車の大きなラ・サールが明日届くまでここに留まり
車がトラックで陸送され次第、本隊合流に向けて出発するとのこと。
シャーシの側面が6cmほど裂けてしまった古豪・ブラジエは
ここで修理が完了、またパイオニア・カテゴリーにて
シルバー・メダルを目指して走り出す。
【勇士たちのラリー・コーナー】
古くてみすぼらしいけどパイオニア・カテゴリーでトップを走る
#18のボグゾール・プリンスヘンリーは、1日で10回以上のパンクに見舞われた。
モンゴル中央部のラフな未舗装路を400km走るルートでの出来事だ。
さらに追い討ちをかけるように、今度はラジエーターが裂けた。
スイーパー・メカニックも付近に見当たらず、仕方無しに彼らは
ルートを外れ40km程走ったところで湖を見つけて水を汲み
その場で裂けた箇所にハンダを盛って何とか水漏れを食い止め
またオンコースに戻って黙々と走り続けた。
この日ビバークには辿り着いたがトラブルが響いて8位に後退
でもここからの巻き返しを誓う。
彼らはまた、パリまでの全行程を全うできる最古参の車になる可能性も残している。
度重なるパンクの際にも、ホイールのワイヤー・スポークが
チューブに穴を開けてしまうのを嫌ってその都度止まって修理をし
灼熱の砂漠の中でラジエーターも直して無事ビバークに辿り着くその活躍は
‘マスター・オブ・ゴビ‘のような特別賞に十分値するものである。
【メダルはどう選別されるのか?】
ゴールド・メダルをGETするためには、毎朝ちゃんとスタートして
定刻までにビバークへ戻り、そして‘メダル・コントロール‘に指定された
数多くのチェック・ポイントとタイム・トライアルをすべて通過しなければならない。
スケジュールは競技車両のクラスや製造年式によって異なり
パイオニア・クラスの時間指定はヴィンテージ・クラスのそれより
余裕を持った設定となっていて、クラシック・クラスは逆にタイトな設定となる。
暫定リザルトによると、現時点でパイオニア・カテゴリーに4台の
ゴールド・メダル候補がいて(うち2台がロールス・ロイス、もう2台がイタラ)
ヴインテージ・クラスには17台、クラシック・クラスにも8台の車両が
それぞれ金色に輝くメダルをゴールで受け取る資格を含有している。
他にも21台の車がシルバー・メダルにカテゴライズされ
残るクルーたちがブロンズ・メダルを獲得するためには、これより先
ロシアの首都、サンクト・ペテルブルグにゴールCPの開設時間内に到着し
ランスでCPを通過したら、後はパリに到着すればOK。
ロープで牽引されて、もしくはトラックの荷台に載せられて到着した車には
‘自力でタイム・コントロールに到着し出発しなければならない‘という
レギュレーションに抵触する理由から、タイム加算のペナルティが科せられた。
いつも議論になるトリッキーな問題だが、何かしらのトラブルが生じた際に
すぐに積載車を呼んで事なきを得るクルーと、前出のヴォグゾールの彼らのように
ガッツで最後までトラブルと対峙し、結局タイム・コントロールには
間に合わなかったけれど尻込みして安易にトラック・ドライバーを探しに行ったり
しないクルーが同じ扱いとなってしまうのはいただけない。
結局、1日の終わりに強硬な手段で問題を解決した者たちは
彼ら自身の良心にはあまり関心が無かったようで、したがって
恐らく他の者たちよりも良く眠れたと思う。
(実際他の誰よりも疲れ果てていた、というのも理由の1つだが・・・)
今日は休みということで、各クルーはこれまでのリザルトをチェックし直し
何台かのメダルが掛かっている車の成績に若干の疑問が生じたりと
リザルトを担当するクリス・ブルース、ヴィンセント夫妻のチームは
これらの対応に終われる一日となった。
そしてここまで‘スイーパー‘として何日も夜を徹しての活動を強いられてきた
モバイル・ワークショップのスタッフたちには待望の休みとなり
ここで本格的な修理が必要になったクルーたちは、街の整備工場を回る羽目に。