No.005 「鯉のぼり」- 2009/02/26菅原さんからの手紙

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 私が4輪に転向した1985年〔第7回大会でパリ・アルジェ・ダカール〕には2台のパジェロと1台のデリカ〔4台のバイクのサポート〕を出場させました。この年は夏木 陽介さんが我々チームに来てくれ、私は彼のナビでの4輪デビューでした。チームの3台がすぐに判るようにとルーフに鯉のぼりを付けたのが最初です。砂漠にはいない魚〔ジョーク〕、日本の文化を知らしめる意味も込めました。

その後、ルーフに鯉のぼりの他にグラスファイバー製のサンドラダーを4枚付けて走ってました。サンドラダーを室内に入れるとスペースが無くなり、使った後は砂だらけになるので、ルーフに取り付けると走行風や振動でセルフクリーニングにもなりグッドアイデアでした。

1990年〔第12回大会、パリ・トリポリ・ダカール〕の車検に行ったら、規則が変更になり、ルーフには一切何も付けてはいけないと車検員から言われ、しぶしぶサンドラダーを室内に入れて、鯉のぼりも外す用意をしていたら、「それはスガワラの象徴だから特別に許す」と言われ、びっくしました。もし、これが日本だったら規則だからと言われ外されるでしょう。フランス人のあいまいさに感謝です。規則にはあいまいな部分が必ずついており、その判断を係員に任せているのも凄いと感じました。

それ以来、プロト以外の車両は生産されたシルエットを守り、何も付けてはいけなく、私だけが許される事になりました。ある年、SS中に広い場所で4輪が数十台止まってました。行く方向が判らないようです。

早速、車から降りてバイクの轍を調べました。バイクの轍を良く見ると進んでいる方向が判ります。たどって見ると近くの森の中に入ってました。

他の参加者にばれないように、自分だけその森に侵入し、ルートを見つけてキャンプに帰ってきたら、フランス人のボカンデさん〔篠塚さんの最初のナビをした人です〕が私の所にお礼に来たのです。

「スガワラありがとう、君のコイノボリが森の入り口の木に引っかかってたので、ルートが見つけられたが時間が無かったので拾って来れたかったのでゴメン」と言ってました。

屋根を見たらコイノボリが付いてませんでした。

高知県高岡郡四万十町では毎年500匹のコイノボリの川渡しが行われます。ちょうどTBIの時期です。川渡しの発祥の地でもあり、今年も見れるか楽しみです。

今回のダカール2009では思った以上にカミオンクラスのテレビ放映があり、コイノボリのメーカーからお祝いに色々と商品を送って頂きました。TシャツもあるのでTBIに着ていきますね。


著者紹介 菅原義正氏

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