総評

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「世界で最も美しいラリーを目指して」

今大会は、総合ブリーフィングで主催者側がステートメントを出した。「私たちのラリーは、危険だといわれている、今大会は緊急移送も病院への搬入もゼロにする。美しいラリー、と言われるようにする」というものだった。
美しいというのは単に風景が美しいというだけの意味ではない。轍さえ美しく、ラリーがスタートした跡は、そこがビバークだったとも思わないような立ち去り方。
もちろんすべてがそういったわけではないが、参加者たちはビバークでごみ袋を持った。
もちろんランチパックのごみは次の朝持ってこなければ、次のものはもらうことができない。ペットボトルにはキャップにもマジックでナンバーが記され、投棄が発見されれば失格という厳しいルールだが、そんなものは必要なかった。

さて、競技は世界的なトレンドとしてのSXSの台頭だろう。本大会は9台のSXSが参加し圧倒的なパフォーマンスを見せた。クラス分けも急遽SXS、AUTO、MOTOとなったが、総合の表彰台を独占したのはSXS、ボルドバートルは、MOTO、AUTO、SXS部門による初めてのグランドスラムを達成した者となった。

敢闘賞にはTeam FA-coat、チーム優勝はTeam Husqvarna Japan.それぞれの心に深く刻まれる大会となった。さて、その刻まれたものは何か、そして主催者の発したステートメントは達成されたのか。それらはこれから参加者らのSNSによってつまびらかにされるだろう。
ラリーモンゴリア2018は、24年目の大会だった。来る2019年には四半世紀の大会を迎える。勢力地図は幾分塗り替えられたものの、モンゴルの発展は著しいものの、人々の心は少なくなく移ろったものの、モンゴルの足をすくませるほどの美しい風景は、何世紀経とうとも何も変わらない。

 

 

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