No.0610 – Organisation Voice 2004/03/10

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やっと日本列島に春がやってきました。桜の開花もまもなくです。皆さんの地域はいかがですか。さて「そのとき、とんでもない出来事が襲います。絶体絶命です。」と安物の連載モノのような終わり方をした昨日のこのコーナー、そのトンでもない出来事とは・・・・ゴメンなさい、想像していた人も多いと思うけど・・・・たいしたことじゃないんです。

でもビックリ!空からジェリ缶が降ってきてフロントガラスに激突!ドッカーン!!フロントガラスは粉々かと思いきやひびが入った程度。「なんだなんだ」気がつくとルーフキャリアに積んであったスペアの燃料20Lが、フルブレーキングのときに飛んできただけのことです。しかし遭難しかけたときなどはこうしたトラブルはよくあります。

ミスコースして分らなくなったときにパンク!とか・・ショートカットを狙って山越えに挑戦しててミッション壊して動けなくなったり、山登ってる時は「このままじゃあやばいぞ」となったときに限ってアイゼンを反対の足のパンツに引っ掛けて滑落とか・・・。あるんです。それがさらに心理的な負荷をかけます。そのときの僕は、心臓が口から飛び出るほどビックリ!!で告白

「ゴメンね、実はミスコースしてて、今どこに居るのか分らないんだ」

「:::::::::::::」

通訳はなんと言ったのか反応は「へー」くらいなものですっかり拍子抜け。僕は禁を破ってショートカットして、さらに事態を悪くしていた。「ここに居たのでは、ヘリで捜索しても分らないだろうなあ。」それほど思いっきりオンコースから外れていた。全く訳がわからなくなった。プラトーに上がって大きな円を描きながら無線でカミオンバレイを呼んだ。全く無反応。もちろん本部も無反応だ。「しゃあねえなあ」残りのガスと後続距離を計算する。食料と水も計算する。「まずゲルを探そう、だから人間の痕跡を探すんだ。」と思った。

そのとき無線機のメーターがわずかばかりノイズを拾った。すかさずスケルチを開く。音声が乗っているようだった。さらにCAP300くらいで30kmほど移動する。「カミオンバレイ!」と呼ぶと「はあい、はあいどこにいるんですかね?」とのんびりした菅原さんの声。「実は・・・・・」とそこを動かずに無線で呼び続けてもらうことにしました。そして最初は小さくだんだん大きくといった渦巻状の半径5kmくらいの円運動をして、おおよそ無線の受信強度から方向を割り出したのでした。フーッ。とため息をついて、「こっちだ」と思うその角度に一直線で向かいました。

GPS、マップツイン。現代の利器も必ず壊れます。そのときに人間の頭も壊れてしまう可能性があります。壊れたときの事を考えておかなかったり、このときの僕のように、まあいいか何とかなるだろう、という判断は危ういものです。今までそれで何とかなっていたというのは偶然なのです。

人も企業も、こうしたリスクへの想像力を高めておくことが必要だと思います。○インフルエンザの養鶏業者も、ジャパネット○かた、もその想像力と実際の危機にあっての対応力が問われています。一緒に乗っているモンゴル人医師は、カミオンバレイが見えるや「パトロールの走破性はすごいなあ、これ買おうかなあ」だって。のんびりと考えて危機を危機と考えないのも一つの効果的な方法かとも思うのですが、いかがでしょうか。

きょうの一枚
この時代(1985年ころから)はヤマハDT200の全盛期です。みんなこれでしたね。僕も買って毎日のように走っていました。大会本部のスタートステージも懐かしいもの。それにしてもこの年からの車体ゼッケン、今と同じです。

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