No.0541「コンペティターでない自分。」- Organisation Voice 2003/08/27

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僕は、仕事が好きだ。仕事が好きだ、といっても正しくは自分のやりたいと思うことを好きだと言ってるので、たいして苦労はしていない。しかし、最近、衰えているものが増殖しているのが分かる。それは闘争心である。あの胸を焦がすような、獣の怒りの吐息に似たアドレナリンの分泌だ。最近海外のラリーに出る予定者から相談を受けた。熱い砂漠の匂いがよぎった。NAVIの10月号を見てると増岡浩が語ってる。「前夜、ナビゲーターに明日はアタックするぞとこっそり伝えた。いつもより念入りにロードブックをチェックしてくれと」

僕は、「競技のある人生を送りたい」と、ナントカ・コンペティションなんて名前の会社を作って、20年の歳月が流れた。会社の経営は実にコンペティティヴではあるのだが、どうしたことか、肉体は衰えていき「サイドラインの魔術師」(と誰も呼んでくれないので)自分でそう言っていたアメリカンフットボールのタイトエンド時代に築いた、人の2倍くらいあった背筋も、陸上競技選手のような足も、見る影もなくなってきた。プールに通っても続かず。自転車に乗ってもママチャリに抜かれ、なにかこう言いようのない不安を感じ始めたのである。信念を持って夢に突き進む、それによるリスクは覚悟してこそ人生であると、そう信じてきた自分のモチベーションをそぐのは、肉体だ。さて、新しいコンペティションの場に出ていこう。しばらくはこのテーマで、このコラムを続けるんだい。

 

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